今回は、マネジメントスキルについて考えていきましょう。
ビジネスの現場では、成果を出すために個人の力だけでなく、チーム全体を動かす力が求められますが、その鍵となるのが「マネジメントスキル」です。
マネジメントスキルは、単に人を管理する力ではありません。目標を設定し、メンバーが力を発揮できる環境を整え、発生した課題を解決しながら組織全体を成果へと導くための総合的な能力です。
あなたがこれを身につけることで、業務効率が高まり、人材育成やチームのモチベーション向上にもつながるでしょう。
本記事では、マネジメントスキルを身につけるメリット、その構成要素、さらにスキルを高めるための具体的な方法などについて詳しく解説します。
また近年は、企業のマネージャーにとって、コーチングのスキルも必要とされています。
その辺りも含めて紹介していきますので、最後まで読んでくださいね(^^)
マネジメントスキルって何だ?
マネジメントスキルとは、組織やチームを効果的に運営し、目標達成へ導くための総合的な能力を指します。
単に、個々人の業務を管理するだけでなく、
・人材の育成
・モチベーションの向上
・問題解決
そして、
・成果に向けた調整力
などが含まれます。
たとえば、
・計画を立てて進捗を管理する力
・状況に応じて判断する力
・メンバーの強みを活かして協働を促す力
なども重要な要素です。
マネジメントスキルは、管理職だけに必要なものではなく、チームで働くすべての人に役立つスキルであり、身につけることでリーダーシップの発揮やキャリアの成長にも直結します。
リーダーシップと何がちがう?
同じく、リーダーやマネージャーに求められるスキルとして、リーダーシップがあります。今度は、マネジメントスキルとリーダーシップの違いについて見ていきましょう。
マネジメントスキルは、組織やチームを円滑に運営するための具体的な技術や能力を指します。業務の計画、進捗の管理、課題の解決といった「仕組みを整え、成果を出すための力」と言えるでしょう。
一方、リーダーシップは、人々を動かす影響力であり、組織の方向性を示し、メンバーの意欲を引き出す力です。ビジョンを掲げ、メンバーのやる気を鼓舞して、組織全体を目標に向けて動かしていく役割を果たします。
たとえば、マネジメントが「何をどうやって進めるか」を担うのに対し、リーダーシップは「なぜこれを進めていくのか」を示す役割に近いイメージです。
両者は対立するものではなく、業務管理と目標達成を支えるマネジメントスキルと、組織を目指す方向へと導くリーダーシップ、この2つをバランス良く発揮することで、組織は着実に成長していけるでしょう。
マネジメントスキルは何に役立つ?
マネジメントスキルを身につけるメリットにはどんなものがあるでしょうか。
一般的には次のようなことが挙げられています。
・チームの生産性と効率がアップする
・職場環境が良くなる
・変化への対応力が高まる
・チームメンバーのモチベーションが高まる
・組織を持続的に成長させられる
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
マネジメントスキルを身につけることで、目標を明確にし、役割分担や優先順位を適切に設定できるようになります。
その結果、業務の無駄を減らし、限られた時間やリソースを最大限に活かすことが可能になり生産性が高まるのです。
さらに、進捗を管理し、問題を早期に発見して対応できるため、チーム全体の効率が向上しやすくなります。
マネジメントスキルには、メンバー同士のコミュニケーションを円滑にする力も含まれています。
相手の話をよく聞き、意見の調整や衝突の回避、相互理解を深める工夫ができることで、職場の雰囲気が和やかになるのです。
関係者間での信頼関係が築かれると、働きやすさが向上し、メンバーの定着率や協力体制も自然と高まります。
ビジネス環境は常に変化します。マネジメントスキルがある人は、状況を冷静に分析し、今あるリソースを使って柔軟に対応策を考えることが得意です。
変化に対する抵抗感を和らげ、チームを安心させながら新しい取り組みを進められる点も強みです。
こうした姿勢は、変化の激しい不確実な時代において非常に価値があります。
マネジメントスキルを通じて、メンバーの強みや特性を理解し、それに合った役割を与えることができます。
相手を理解し、モチベーションが高まるような適切なフィードバックや達成感を得られる環境づくりも、やる気を高める大切な要素です。
結果として、個人が力を発揮しやすくなり、チーム全体の意欲と一体感も高まります。
優れたマネジメントは、短期的な成果だけでなく、組織の長期的な発展にもつながります。
人材育成やノウハウの共有、組織文化の醸成など、継続的に力を発揮できる仕組みを整えられるからです。
結果的に、組織は変化の中でも強さを維持し、持続的な成長を実現しやすくなります。
※上記の青字部分は、NLPコーチングがカバーできるスキル分野です。
マネジメントスキルは奥が深い
マネジメントスキルには、どのようなものがあるでしょうか。
マネージャーには、幅広い能力が求められるので一概には言えませんが、ここでは代表的な以下の8個のスキルに絞って見ていこうと思います。
・リーダーシップ
・目標設定スキル
・進捗管理スキル
・コミュニケーションスキル
・リスク分析/課題解決スキル
・テクニカルスキル
・コーチングスキル
・アセスメントスキル
繰り返しになりますが、リーダーシップは、方向性を示し、周囲を引き付けて共に進んでいく力を意味します。
指示を出すだけでなく、ビジョンを描き、それを共有し、メンバーのやる気を鼓舞することで、組織全体を目標に向けて動かしていく役割を果たすのです。
強いリーダーシップを発揮する人は、困難な状況でも前向きなエネルギーを示し、チームに安心感と信頼を与えることができます。結果として、組織全体の推進力を大きく高める役割を果たすでしょう。
目標設定スキルとは、チームや組織が進むべき方向を明確にし、その達成に向けて具体的な行動計画を立てる力を指します。
実は目標が達成できるかどうかは、目標を設定した時点で50%ほど決まってしまうとも言われています。それほど適切な目標を設定することは、難しいことなのです。ましてや、納期ありき、コストありきの計画などは、計画とは言えません。
定量・定性両面で適切な目標が設定されると、メンバーは自分の役割や優先すべきことを理解しやすくなります。これにより組織全体が同じ方向に向かって進むことができ、成果を出しやすい環境が整うのです。
進捗管理スキルは、立てられた計画に基づき、実務を行い、それが計画通りに進んでいるかを把握し、もし問題があるようであれば、原因を明らかにし、適切に対応する力です。
正しい情報がタイムリーに上がってくる仕組みを構築し、今あるリソースを考慮しながら、各々のタスクを期限までに効率よく進めるための調整が求められます。
問題が発生した際には早期に把握し、解決策を講じることも必要です。これによりチームが滞りなく動き、信頼性の高い成果を出せるようになります。
コミュニケーションスキルは、相手と信頼関係を築き、相手に情報を分かりやすく伝える力と、相手から正しく受け取る力の両方を含みます。
情報が、必要な人にタイムリーに届かない、正しく伝わっていないなどの、コミュニケーションロスを減らし、関係者全員の協力体制を築くためには欠かせないスキルです。
より良いコミュニケーションには、言葉による会話だけでなく、表情や声のトーンなど非言語的な要素も大切になります。円滑なコミュニケーションが実現すると、チーム全体の一体感や効率性が高まり、仕事の成果にも直結します。
リスク分析や問題解決スキルは、チームやプロジェクトが直面する潜在的な課題を見抜き、適切に対処する力です。
問題が顕在化する前にリスクを予測して備えることができれば、トラブルを未然に防ぐことが可能になります。万が一問題が発生しても、想定内として原因を冷静に分析できます。短期的な応急処置と長期的な改善策を使い分けるなど、適切な解決策を導き出す力です。
これらのスキルが高いリーダーは、危機的状況でも落ち着いて対応でき、メンバーから信頼されやすくなります。
テクニカルスキルとは、業務遂行に必要な専門知識や技術力、実践力を意味します。例えば、IT分野ならシステムやツールの理解、製造業なら工程や品質管理の知識が当てはまります。
リーダー自身が技術に精通していることで、メンバーの課題を理解しやすくなり、的確な指導やサポートが可能になるのです。
現場の課題を理解し、実効性のある改善策を講じる上で助けになるだけでなく、自身のスキルを磨き続ける姿勢はチームに刺激を与え、学習文化を育む効果も期待できます。
コーチングスキルは、メンバーの強みや可能性を引き出し、自発的な成長を促すための力です。
1.まず相手を受け入れ(受容)、
2.相手に意識を向けて話を聞き(傾聴)、
3.単に指示を与えるのではなく、質問を通じて相手に考えさせる、
このように進めていくことで、相手の視野を広げたり、主体性を高められます。
また、相手の行動や結果に対しても、適切なフィードバックや承認を行うことで、モチベーションアップや自己効力感の向上にもつながります。
コーチングができるマネージャーは、短期的な成果だけでなく、長期的な人材育成にも大きな強みを発揮するのです。
アセスメントスキルとは、メンバーの能力やチームの状況を客観的に評価し、改善点や可能性を見極める力です。
メンバーのパフォーマンスや行動傾向を理解し、公平に判断することで、適材適所の配置や育成計画に活かせます。さらに、評価を単なる点数付けで終わらせず、フィードバックを通じて学びや改善に結びつけることも重要です。
このスキルを持つマネージャーは、チームやメンバーの成長を持続的に支えることができます。
マネジメントスキルを高める方法に
じっくり取り組みましょう
以下に、マネジメントスキルを身に付けるための代表的な方法について挙げました。
・経営知識を身につけて、高い視座で物事を見るようにする
・読書で学ぶ
・セミナーを受講する
・実践を通じて学ぶ
・優秀なリーダーを観察して真似をする
・他者からフィードバックを受ける機会を持つ
・マネジメントスキル向上に役立つ資格を取得する
・コーチングを受講する
それでは、これらについて、また、1つずつ見ていきましょう。
マネジメントには、チーム内だけでなく組織全体や市場環境、ひいては地球環境全体を見据えた判断が求められます。
経営知識を学ぶことで、戦略的な視点を持ち、部門の枠を超えた意思決定が意識できるようになるでしょう。
人・モノ・金・情報など、様々な視点から考え、また、「自分が課長なら、部長なら、経営者ならどうする」など、より高い視座で考えてみることができれば、より現実的な施策を立案できるでしょう。
知識には、自分が実際に経験することで身につくものと、机上で学ぶことによって身に付けられるものとがあります。その、机上で学ぶやり方で、最も手軽で、かつ制約が少ないものが読書です。
読書は、時間や場所を選ばずに、多様な知識を吸収できる方法です。古典的なマネジメント理論から最新の実践事例まで、幅広く触れることで、自分の思考の幅が広がります。
実際に、現場で直面する課題に対して、読書から得た知識が解決のヒントになることも少なくありません。
セミナーは、短期間で効率的に学べる場です。
専門家や実務経験者の話を聞けるだけでなく、参加者同士で交流できるため、自分になかった新しい視点や実践的なアイデアを得られることもあります。
特にワークショップ形式のセミナーは、学んだ内容を即実践できるため、知識が定着しやすい点も大きなメリットです。
どんなスキルも実践で磨かれる部分が大きいですが、もちろんマネジメントスキルも同様です。
自ら手を上げて、実際にチームを率いたり、小規模なプロジェクトを担当させてもらったりすることで、様々な経験ができ、理論と現実のギャップを体感できます。
うまくいかない経験からも学びを得られるため、挑戦を重ねるほどスキルは確実に強化されていきます。
身近にいる優秀なリーダーを観察し、その振る舞いや意思決定の仕方を真似ることを「モデリング」と言いますが、この「モデリング」は、成長の早道とも言われています。
既に成功している人のやり方を学ぶので、非常に効果的・効率的な学びになるのです。
会議での発言やメンバーへの接し方など、小さな行動も含めて、学べることが多いはずです。模倣を通じて身につけたスキルは、やがて自分のスタイルとして定着していきます。
自分では気づきにくい、発言、行動、考え方のクセは、他者の目を通じて初めて見えてくるものです。ところが、適切なフィードバックを受けられる機会は思ったより少ないかと思います。
上司や同僚だけでなく、部下からの意見も大切な学びの源になり得るのですが、なかなか素直に聞けない場合もあるでしょう。やはりフィードバックをする側にもそれなりのスキルが必要なのです。
そういう意味では、メンターや専門家であるコーチからの客観的なフィードバックは、とても役に立つものになるでしょう。
自分の行動や結果に対するフィードバックを受ける際には、そのフィードバックをまずは受け入れる姿勢を持つことで、改善点が明確になり、自己成長のスピードが加速します。
資格試験の良いところは、学ぶべきことが体系的に整理、網羅されているため、非常に学びの効率が良い点です。さらに、資格取得は、体系的に知識を整理し、力がついたことを証明する手段として有効です。
マネジメントスキル向上に役立つという観点からは、中小企業診断士やMBA(Master of Business Administration)、IT業界であればPMP(Project Management Professional)などの資格は、スキルの裏付けとして評価されやすく、キャリアアップにも直結します。
働きながら学校に通ったり、勉強時間を捻出したりするのは大変ですが、学習過程で得られる知識は、実際のマネジメント業務に直結することが多いため、実践力も磨かれます。
ここの記事にもたくさんコーチングのスキルが登場していたように、近年では、マネージャーのマネジメントスキル向上に効果的な手法として、コーチングが注目を集めています。
マネージャーがコーチングを受講、活用することで、以下のようなメリットを得られるでしょう。
・コーチングを通じて自己理解を深め、マネジメントの課題を客観的に整理できるようになる。
・コーチからの質問やフィードバックが、自分1人では気づけなかった思考の偏りや改善点を明らかにしてくれる。
・実際にコーチングスキルを体験することで、メンバーへの関わり方にも応用でき、信頼関係を構築し、チームの力を引き出す力が養われる。
こういった経験を通じて、特にコミュニケーション面におけるあなたのマネジメントスキルは、驚くほど向上していくでしょう。
NLPコーチングであなたらしい
マネジメントスキルを身に付けましょう
若手マネージャーにとって、コーチングを受けることはマネジメントスキルの大きな強化につながります。
経験が浅い段階では、チームの方向性や意思決定に迷いが生じがちですが、コーチングによって自分の強みと課題を客観的に把握でき、より高い視座で物事を考えられるようになっていきます。
また、定期的なコーチングセッションでは、部下との関わり方を振り返る機会にもなり、対話力やモチベーションの引き出し方といった日常のマネジメントに直結する力が養われるのです。
特にNLP(神経言語プログラミング)のスキルは、マネジメントに効果的です。以下に具体的なテクニックを紹介しておきます。
№ | テクニック名 | 内容 |
1 | ラポール形成 | 信頼関係を築く技術であり、相手に意識を向け、会話のペースや姿勢を合わせることで部下が安心して意見を話せる環境を作れます。 |
2 | リフレーミング | 出来事を異なる視点から捉え直す方法です。新たなチャレンジに失敗はつきものですが、失敗を学びの機会へと一瞬で変換する力を与えます。 |
3 | アンカリング | ポジティブな感情を引き出すスイッチを意識的に作ることで、プレッシャー下でも、アンカーを発火することで、落ち着いた判断が可能になるでしょう。 |
4 | メタモデル | 人は自分の知っていることを前提として、情報がかなり省略されたしゃべり方をするのが一般的です。メタモデルは、これらの曖昧な表現を具体化し、隠された情報を復元させる質問法で、部下の本音や課題を明確にできるのが有効な点です。 |
他にもたくさん有用なテクニックがありますが、これらを活用すれば、若手マネージャーは単なる業務管理者にとどまらず、チームを成長に導くリーダーへと進化していけるでしょう。
また、当社代表コーチの冨永は、IT業界で長年プロジェクトマネージャーを務め、組織のマネジメント職も歴任してきました。
ですので、マネージャーが抱えるお悩みについても理解が深く、NLPコーチングを用いた改善手法についても経験を重ねてきています。
どうぞ安心してお問い合わせください。
はい、ここまで、マネジメントスキルとは何か? マネジメントスキルが高いことによるメリット、マネジメントスキルを構成する要素、マネジメントスキルを高めていくにはどうしたらいいかなどについて解説してきました。
ここに挙げたようなことをやっていただければ、着実にあなたのマネジメントスキルは高まっていき、自信を持ってプロジェクトや業務に臨むことができるようになっていくでしょう。
ただし、様々な努力を1人でやり続けるのは、なかなか苦しいものです。時間もかかります。特に人間関係は悩ましいものですよね。
そして、コーチングは、あなたのマネジメントスキルの向上を加速させるための1つの有効な手段です。より早く、より確実にあなたが理想のマネージャーに近づいていくために、NLPコーチングを選択肢の1つに入れてください。
あなたが、自分のコミュニケーション能力に自信を持ち、上司やメンバー、お客さんを前にして、堂々と振る舞っている、そんな姿をイメージしてください。
当社では、体験セッションでNLPコーチングが、どのようなものかを試すこともできます。
あなたからのご連絡をお待ちしています(^^)
・日々の心の悩みを解決したいあなたに:
NLPを用いた個人コーチング
・NLPを学び、自分や人に役立てたいあなたに:
NLPトレーニング講座
・過去のトラウマや恐怖症を抱えたあなたに:
長年の悩みを解消するセラピー
・ビジネスマン、マネージャーのあなたに:
ビジネスマンお悩み解消コーチング
などにご興味を持たれたら、問合せフォームよりお気軽にお問合せください。
30代女性 Hさま
仕事とも友人とも違う、コーチとの関りは、とても面白かったです。自分の苦手や弱いところとか、夢や目標など、他の人には話せないような内容がたくさん詰まっていて、私にとっては貴重な時間でした。日報つらい…と感じたこともあったけど、毎日トミーさんからのコメントが本当に楽しみで、嬉しくて、新人に戻ったような新鮮な気持ちでした。
40代女性 Nさま
頭の中で考えていることをとりあえず全部言語化して、自分の思い通りの人生を堂々と歩いて行こうと思えました。トミーさんとの出会いに心から感謝しています。私もキラキラしたいなあと思いました。ありがとうございました。